更年期に夫婦関係の見直しを!婦人科や精神科の医師もよく言うセリフです。確かに、年代的にもそれまでの夫婦のあり方から変化が起こりやすいです。
- 子供の独立
- 夫の昇進
こんなこともアラフィフに多い家庭内の変化ですね。
また、最近は出産年齢も上がっているので、子どもがまだ10代という人も珍しくないです。それはそれでまた違うストレスがかかってきます。
現在の更年期世代が陥りやすいあいまいな夫婦関係
2018年現在、更年期世代は昭和40年代生まれですね。わたし自身がそうなのですが、バブルの尻尾ともいえるこの世代って、夫婦関係に関してちょっとあいまいだと思うのです。
昭和の夫婦像で育った更年期世代
育った環境は高度成長期のお手本とされていた「夫は外で働き妻は専業主婦、子供は二人でマイホームにマイカー(をローンで)」がほとんど。
夫婦共働きの家庭も少なくはなかったけど、お母さんが仕事をバリバリしている人は少数派です。だから、家事育児は妻の仕事、ゴミ出しや子供のおむつ替えをしただけで、ものすごく協力的な夫といわれました。
女性も就職することが普通になった世代
そんな親を見て育った私たちですが、高校や大学を卒業後は就職することが一般的になってきました。家事手伝いなんて一部のお金持ちくらいではないでしょうか。それでも、社会勉強といってどこかしらの企業に就職していました。
男女雇用機会均等法が施行されても、やっぱり結婚後は退職する人も多かったし、企業もそれを見込んでいました。
少し上の世代を見てみると、子供が手が離れた頃に再就職を考えても、もはやバブルははじけていて正社員なんてとうてい無理。
というより、家事育児一切をやりながら正社員で働くことはまさにスーパーウーマンです。今よりもっと母親に育児の負担は大きかったのは事実ですから。
なんとなく学んだ自分にとってそこそこ心地よい環境
少し上の人たちは団塊世代、アラフィフの子供たちはゆとり世代なんて言われます。さしずめ今の更年期女性はバブルの尻尾。なんとなく浮き足立った時代を知っているけど、それがはじけたのも見てきている。
まわりから持ち上げられるだけ持ち上げられるけど、結局現実は親世代の価値観にしばられて生活していくことが多かったわけです。それだけ親の影響力が大きかったともいえます。
結婚してからも、その価値観は影響します。それどころか、家庭という狭い世界に入ったからこそ大きなウェートを占めるようになります。
たとえ話ですが、子供も生まれたし新居に引っ越すか!・・・と休日に子供を連れて夫婦で不動産屋めぐりに出かけます。まだ小さい赤ちゃんなら母親が抱っこです。ベビーカーは動き回るのに苦労するからあえて使いません。
1日内見して動き回ってクタクタになって帰宅します。赤ちゃんも疲れたのでしょう、ぐずっています。おむつも替えないと!
子供の世話をしていると、夫が不機嫌そうな顔。そのうち背後からこんな声が聞こえてきました。
「オレだって疲れているんだ!お茶くらい煎れてくれ」
普通だったら
何言ってんの!?自分で煎れれば?ついでの私の分も!
と思います。でも、そのとき自分もクッタクタです。言い争いをするほどの元気も残っていないのです。
それに、実家ではどんなときもお母さんがちょこまかと動いていた。その情景をみて育ってきたので無意識にあきらめてしまいます。これが最大の理由ではないでしょうか。
カチンとくることはあるけど「このくらいは」とやり過ごしてしまう。我慢するというほどの強い意志があってのことではないのが問題だったのです。
夫を教育するのは最初が肝心、その通りです。それを逃してしまったのが更年期世代の女性になんと多いことでしょう。
心も体も元気なときは、それで上手くやっていけます。夫の地雷もなんとなくわかってくるので、相手を変えようというがんばりより、やり過ごしたほうが楽というのを自分の方が学んでしまうのです。
妻と母親の切り替えに疲れてくるのが更年期
夫婦二人のときより、そういった「無意識のがまん」が当たり前になってくるのは子育て中です。
手のかかる幼児期には、たまには外食しようと言われて出かけても赤ちゃん連れでは落ち着けません。母親は疲れるだけです。
少数派ですが、たまには一人で出かけてきなと子供の世話を引き受けてくれる人もいるでしょう。でも、帰宅後の掃除が大変だったり・・・。結局、自分がやらなかった時間分の家事が溜まっているだけだったりします。
それでも、子育てに一切関わらない父親もそれなりにいるので、夫の気持ちに対して「ありがとう」と感謝するのです。そうするのが良いとすり込まれているので。
いざ子供が思春期を迎えると、育児の割合の差がどーんと現れてきます。お父さんは蚊帳の外、という状態です。
これ、まだ40代前後の若い夫婦にもありがちなことです。ただ、更年期は疲れているんです。今までしてきたことができなくなっていることも関係しているのです。
子供が思春期になるまで、自分も息子や娘のことをわかっていると思っている父親は、母親である妻が要所要所で情報を上手に提供してきたからです。
一度でも「子育てはおまえに任せているんだから」なんていうセリフが出たとしたら、思春期以前に夫婦関係も下り坂だったのでしょうけど。
そうでないのは、「夫が優しい・妻が賢い」のどちらかだと思いますね。
経験上、子供のことを報告・相談するときは「母の顔」より「妻の顔」で言うほうが上手くいきます。これも親世代の悪影響ですねぇ。
こんな風に、無意識にやってきたがんばりがきかなくなってくるのが更年期です。そこまでする気力も体力もなくなっているのです。
更年期障害をこじらせない夫婦関係を再構築
妻が更年期で大変なんだな・・・なんて理解のある夫はまだ少数派です。イライラしているから触らぬ神にたたりなし、くらいに思っているのかもしれませんね。
でも、いくら鈍感な夫でも、なんか居心地が悪いな・・・くらいは感じます。なんとなく家に帰りたくなくて仕事帰りにちょっと一杯、という日が増えていくことも。
最悪の事態になる前に、一度夫婦関係の再構築のためにじっくり話し合う機会を持つことをおすすめします。
夫が向き合ってくれないかも、という不安のある方は病院で検査を受けるのもひとつの方法です。更年期障害という名目で。
実際、更年期に差し掛かったら婦人科でエストロゲンの数値や生活習慣病、女性特有の疾患について検査をしておくことは大切です。
「更年期でだるい」「疲れが取れない」と口で言っているだけでは男の人って軽くみがちです。
病院に行ってきた・・・これ、けっこう効き目あります。できれば、大学病院など大きなクリニックが良いです。
熟年離婚なんてことにならないよう、今こそ「話ができる夫婦」になっておきましょう。初期の夫教育に失敗した更年期どまんなかの忠告であります。