更年期になって太り始めたという女性は多いようです。ダイエットをしても若い頃のように痩せなくなってきます。これは、年齢とともに基礎代謝が落ちることが大きな原因です。
若い頃と同じだけのカロリーを摂っていると、どんどん太るばかりです。肥満は生活習慣病の元になります。更年期の肥満のリスクと太らないための生活習慣を紹介します。
最近太りやすくなった!更年期に太り始める理由は?
更年期女性の悩みは心身の不調だけではありません。肥満や太りやすくなったという声は多くの40代50代の女性から聞かれます。なぜこの年代に急に太りやすくなるのでしょうか。
基礎代謝の低下
じっと横になっていたり眠っていたりしているときでも消費されるエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝は10代の頃をピークに、10年ごとに100キロカロリー低下していくのです!
エストロゲンの減少
女性ホルモンのエストロゲンは脂肪の燃焼を促す作用があります。更年期はエストロゲンが急激に減少するので、脂肪が燃焼しにくい体になっています。
太る原因は食べ過ぎ!
更年期に太りやすくなる原因は、加齢とエストロゲンの急激な減少によって基礎代謝が落ちてしまうことです。若い頃と同じような食事をしていれば脂肪がどんどん溜まっていってしまいます。
適正体重を保つためには、食べすぎを防ぐことが若い頃以上に重要です。
更年期の適正体重は?BMIとエネルギー所有量
まず、自分の体格を客観的にみてみましょう。指標としてBMI(Body Mass Index)と体脂肪率について紹介します。
BMIで肥満度をみる
BMIとは、身長と体重からその人の体格を判定する方法です。
BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}
BMIによる体格指数
- 25以上・・・太っている
- 18.5~24.9・・・標準
- 18.4以下・・・痩せている
BMI22がもっとも病気にかかりにくいと日本肥満学会のデータに出ています。
更年期女性の適正体脂肪率は?
BMIとともに、体脂肪率もチェックしましょう。体脂肪率とは、全体重のうち脂肪が占めている割合のことです。脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪の合計です。
体脂肪は健康維持には欠かせない大切な役割があります。少なければ良いというわけではなく、年齢や選別によって適正な範囲があります。
更年期の女性の標準は 29~35%です。痩せているように見えても骨や筋肉が少なくて体脂肪が高い人がいますよ。
生活習慣病の原因!更年期につきやすい内臓脂肪
更年期以降に太りやすくなる女性は多いのですが、特に気をつけなければいけないのが内臓脂肪です。
内臓脂肪とは?
体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。皮下脂肪は皮膚の下に付き、エネルギーを蓄えたり保温の役割を果たします。
対して内臓脂肪は腹筋の内側の壁の腹腔内に付いている脂肪で、内臓を正しい位置に保ったりクッションの役目をして内蔵を守ります。
どちらも付きすぎると健康を損ないますが、特に問題になるのが内臓脂肪なのです。
内臓脂肪が付きすぎると?
脂肪細胞からは食欲を抑えるレプチンや血管を修復するアディポネクチンなどのホルモンが分泌されています。
これらは善玉ホルモンといえるものですが、脂肪が付きすぎると本来のホルモン分泌のメカニズムが狂い、悪玉ホルモンが分泌されるようになります。
悪玉ホルモンは動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。皮下脂肪より内臓脂肪の方が悪玉ホルモンを分泌しやすいため、生活習慣病の予防には内臓脂肪に気をつける必要があるのです。
更年期以降増える内臓脂肪
エストロゲンにはコレステロールを抑え、内臓脂肪を付きにくくする働きがあります。卵巣機能の低下に伴い急激に減少することで、更年期以降は内臓脂肪が付きやすくなります。
無理は禁物!ダイエットは運動と食事の2本柱で!
更年期以降に肥満になってしまう女性は多く、中年太りだとあきらめてしまうと生活習慣病のリスクが高まります。
無理な食事制限や極端な減量は体に負担をかけますが、適正体重を維持することは大事です。
BMIなどで算出した自分の適正体重を超えている人は、1ヶ月に2kgのペースで減量するようにしましょう。
年齢に合った食事を!
基礎代謝も落ち、運動量も若い頃に比べると減っている更年期世代は、それまでと同じように食べていると消費されるカロリーが少なくなっているので肥満になってしまいます。
ただ、食べる量を減らすだけだと健康を損なう危険があります。栄養バランスを考えた「太らない食事」をするようにしましょう。
有酸素運動は内臓脂肪を減らす
軽い運動を生活の中に取り入れることも肥満防止に効果的です。更年期世代には内臓脂肪を減らしてくれる有酸素運動が最適です。
なかでもウォーキングは手軽に始められるのでそれまであまり運動をしてこなかった人にもおすすめです。
すぐできる!更年期太りを解消する5つのヒント
適正体重をオーバーしているからといって無理なダイエットは禁物です。日常生活でできる太らない生活のヒントを紹介します。すぐできることばかりなので参考にして下さいね。
食事日記をつける
食べたものを全部記録しましょう。食べ過ぎたなと思ったら翌日に食事量を減らすなどして調節することができます。
食べ過ぎないヒント
ついつい食べ物を口にしてしまう、食事量を減らすのが難しい人はこれらのことに気をつけてみましょう。
- 良くかんで食べる(早食いしない)
- お茶碗を小さなものに変える
- 目に付く場所に食べ物を置かない
- 空腹時に買い物に行かない
- 食べること以外のストレス発散法を見つける
脂肪を取り過ぎない
エネルギーの高い肉や油を控えましょう。肉はヒレや赤身、鶏はささみや皮を除いた胸肉、魚は脂肪の少ない青魚がおすすめです。1日の摂取量は100~150gに抑えましょう。
炭水化物のとりかたに注意
ごはんや麺、パンの主成分は炭水化物ですが、たんぱく源としても欠かせません。おかずより低脂肪、低エネルギーなのでしっかり摂りましょう。主食としてはビタミンやミネラルの多い玄米や胚芽米がおすすめです。
おやつに炭水化物を摂るときは甘いお菓子やパンは注意が必要です。吸収が早く体脂肪になりやすく、糖分を摂りすぎてしまいます。どうしても食べたいときは低エネルギーのものを撰びましょう。
ちょこちょこ歩く
少しの距離であれば自転車やバスなどを使わずに歩きましょう。エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上がるなど、小さなことでも積み重なるとよい運動になります。
まとめ
更年期に肥満になる人が多くなるのは、年齢とともに基礎代謝が低くなっていることとエストロゲンの減少によるものです。それまでと同じような食事をしていると、脂肪が燃焼されにくく肥満になってしまいます。
特に気をつけたいのが内臓脂肪型の肥満です。エストロゲンにはコレステロールを付きにくくする働きがあります。
その恩恵が受けられなくなる更年期以降は生活習慣病のリスクが高まります。一見すると痩せているように見える人も注意が必要です。
まずは自分の適正体重と体脂肪をチェックすることが大切。肥満気味の人は体重を減らす工夫をしましょう。
その際、無理なダイエットは禁物です。標準体型の人も適正体重を保つような太らない生活習慣を身につけましょう。