更年期というと女性特有の症状だと思われがちですが、男性にもあるんです。ただ、それは女性の更年期とはちょっと違うので、わかりにくく本人も自覚し辛いので、気がつかない人も多いのが実情です。
男性の更年期ってどんな症状?
まず、下記の質問表でチェックしてみてください。これは、AMSスコアといって男性更年期症状をチェックする質問表です。
それぞれの質問に5段階の答えを当てはめてください。
なし・・・1点
軽い・・・2点
中程度・・・3点
重い・・・4点
非常に重い・・・5点
- 総合的に調子が思わしくない
- 関節や筋肉の痛み
- ひどい発汗
- 睡眠の悩み
- よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
- いらいらする
- 神経質になった
- 不安感
- からだの疲労や行動力の減退
- 筋力の低下
- 憂うつな気分
- 「絶頂期は過ぎた」と感じる
- 力尽きた、どん底にいると感じる
- ひげの伸びが遅くなった
- 性的能力の衰え
- 早朝勃起(朝勃ち)の回数の減少
- 性欲の低下
17〜26点:男性更年期障害ではない
27〜36点:軽度男性更年期障害の可能性、一度テストステロンを測定してください
37〜49点:中等度男性更年期障害の可能性、泌尿器科へご相談ください
50点以上 :重度男性更年期障害の可能性、ぜひ泌尿器科へご相談ください
男性更年期障害の原因はテストステロンの減少
男性ホルモンのひとつであるテストステロンは、まさに男性らしさを司る作用があるホルモンです。
このテストステロンが血中にどのくらいあるかによって、生殖機能を測る目安でもあり更年期障害を左右します。
一般的に男性はテストステロンの量は40歳を過ぎる頃から減少していきますが、女性のように急激に減少するわけではなく、ゆるやかに減っていきます。
男性更年期の発症年齢は幅広い
女性の場合、更年期は閉経の前後10年とおおよそ決まっていますが、男性の場合は個人差が大きく、おおむね40歳から64歳くらいまでといわれています。
しかし、生殖機能が終わる年齢も個人差が大きく、70歳過ぎても子供をつくる人もいます。反面、40歳で更年期に悩む人もいますし、最近では不規則な生活やストレスなどでもっと若い年代からテストステロンの量が少なくなってしまう人もいるのです。
男性更年期は心の不調が表れやすい
男性の更年期障害の症状は大きく「体の変化」「心の不調」「性的な変化」の3つに分けられます。
男性更年期の体の不調
体力がなくなり踏ん張りがきかなくなった・・・仕事などでそう感じることはありませんか?歳のせいかな、若い頃のようにはいかないな、そう思っていたら更年期のせいだったということも少なくありません。
また、女性の同じように倦怠感や関節痛、ほてりや発汗も起こることがあります。
男性更年期の心の不調
更年期うつという言葉は女性だけに当てはまるものではありません。男性更年期はうつ症状がとても多く見られるのが特徴です。
男性の更年期の自殺率は女性の3倍ともいわれています。男性の場合、社会風潮として悩みを気軽に打ち明けることができないことも、うつを気づきにくく悪化させる要因です。
男性更年期の性的変化
性欲の減退・勃起障害・勃起強度の減弱や持続時間の短縮といった悩みが出てきます。女性の場合は、ホットフラッシュや月経不順など体の変化が先で更年期を自覚することが多いのですが、男性の場合はうつ症状など心の不調から身体面へとすすんでいくことも特徴のひとつなのです。
憂うつ感や倦怠感、不安感は性欲の減退や勃起障害をともなうことが多いため、こうした性機能の低下が自身を喪失させ、さらに生活に対する意欲も減退していくという悪循環を生み出します。
必要なのは食生活の見直しと適度な運動
会社勤めの人であれば、年に1度健康診断がありますね。その結果を十分踏まえて、気になるところがあれば専門医の診断を受けるようにしましょう。年代的にも生活習慣病になりやすい時期でもあります。
その上で、男性の更年期を改善するには食生活の見直しと適度な運動です。まだまだ職場では忙しく、接待や付き合いで外食が多くなったり、深夜になったりすることも多いかもしれません。
急に変えることは難しくても、仕事が早く終わった日は家でゆっくり夕食をとるようにしましょう。外食の際も野菜を多く摂る、飲酒はなるべく控えるなど、少しずつ食習慣を見直していきましょう。
適度な運動も生活習慣病予防にもぜひ取り入れましょう。スポーツジムに通って筋トレをしてムキムキに・・・なんて必要はまったくありませんので、楽しんでストレスが発散できるようなものがおすすめです。
男性更年期障害の治療とは?
先のチェック表で危険かも・・・と思った場合は専門医に相談しましょう。数はまだ少ないのですが、男性の更年期専門外来を設けている医療機関もあります。
必要な場合、ホルモン補充療法を選択することもできます。ただし、あくまで専門の医師の下で正しく受けることが大前提です。
また、ホルモンを補充するほどではないけれど心の不調が多い場合は抗うつ剤で治療を行うこともあります。女性の更年期治療同様、その人に合った治療を選択していくことが大切です。