この暑さのせいか、最近更年期の症状が辛いです。去年ほどホットフラッシュはないので、ダイレクトに暑さにやられている感じではないのですが、なんとなくだるい・眠いといった全身的なしんどさが続いています。
ここ数日はフワフワとする感じがありました。いわゆる「めまい」です。経験したことも多いこの症状、でも実は誤解されていることもいくつかあります。
めまいの種類と症状を分けると3つのタイプに
めまいにはその症状によって3つのタイプに分けられます。
- 回転性のめまい
- 非回転性のめまい
- 立ちくらみ
めまいというと、自分や回りの景色がぐるぐる回ってふらつく症状を思い浮かべますね。実際、昔のお医者さん(ちょっと失礼な言いかたかな?)は、そう診断することもありました。
ぐるぐる回るめまいを回転性めまいと言います。
非回転性というのは、体がフワフワするような感覚の症状です。これも平衡感覚が異常を示している状態で、めまいです。
そしてもうひとつ、立ちくらみもめまいです。急に立ち上がったときに一瞬目の前が真っ暗になる症状で、思春期の女の子に多く見られます。私も十代のときはよく起こりました。
ほとんどのめまいは重篤な病気ではない?
めまいは当事者にとっては辛い症状です。特に回転性のめまいでは、立っていられないほどで吐き気を伴うこともあり、また実際嘔吐してしまうこともあります。
ただ、めまいは多くの人が経験する症状でもあり、すぐに命にかかわるような症状ではないことがほとんどです。
めまいの原因は4つ
なぜめまいは起こるのか?その原因は4つに分けられます。
- 耳の異常
- 脳の異常
- 全身性の病気
- 心の病気
命に関わるめまいとは?
上記の4つのめまいの原因のうち、脳の病気によって起こるものには注意が必要です。めまい自体は重くはないことが多いのですが、他に手足のしびれやろれつが回らないなどの神経症状を伴います。その場合はすぐに救急車を呼びましょう。
更年期症状としてのめまいは?
他の病気がなく、更年期の症状としてのめまいは自律神経の異常によるもので、全身性の病気にあたります。エストロゲンの急激な減少が要因となって自律神経の乱れを引き起こすからです。
更年期には心の病気もことも!
うつ病や心身症でもめまいを起こすことがあります。更年期うつと呼ばれるうつ症状もあることからも、注意が必要です。
めまいの原因で一番多いのが耳の異常
多くのめまいの原因が耳の異常によるものです。外耳・中耳・内耳またはそれらを取り巻く神経になんらかの異常があって起きるものです。
女性に多いメニエール病、50歳代から増える良性発作性頭位めまい症なども耳の病気です。
更年期以降は知っておきましょう!頭位めまい症とは?
良性発作性頭位めまい症を知っていますか?長い名前ですが「良性」というとおり、重篤な病気ではないので安心してください。
ただ、更年期以降の女性にはぜひ知っておいて欲しいめまいの原因のひとつです。
良性発作性頭位めまい症の症状
頭が特定の位置になったときにめまいを起こします。その位置は人によって異なります。一例をあげると
- 洗濯物を干そうと頭を上げたとき
- 後から声をかけられて振り向いたとき
- 起床時に起き上がるとき
- シャンプーをしようと頭を下げたとき
いつも特定の位置に頭をおいたときにめまいがするのが特徴です。このとき起こるめまいは回転性のもので強烈なことが多いのですが、じっとしているとまもなく治まります。
そして、メニエール病が耳鳴りや耳閉感、難聴などを伴うことが多いのに対して、聴覚の異常はないことも特徴です。
良性発作性頭位めまい症の原因は?
これは内耳の異常が原因です。耳の構造を知れば分かりやすいです。耳の大事な働きは「音を聞く」と「平衡機能」です。
平衡機能とは、体のバランスをとる働きのことです。これは内耳の三半規管・耳石器・前庭神経や脳幹、小脳の機能で、このどこかに異常が起こるとめまいが生じます。
良性発作性頭位めまい症は、内耳の異常によるものです。内耳には平衡感覚を感知する前庭器官があります。前庭器官は三半規管と耳石器で構成されています。
- 三半規管-体が回転する動きをキャッチ
- 耳石器-上下・前後・左右・重力をキャッチ
耳石器の中は袋状のものがふたつあって、その中は炭酸カルシウムでできた耳石と内リンパ液で満たされています。
耳石が内リンパ液の中を動くことによって位置を感知できるようになっています。三半規管の中も内リンパ液で満たされています。
この耳石がはがれて三半規管に入り込むことがめまいの原因です。
どういうことかというと、本来耳石は耳石器にあるのですが何らかの原因で剥がれ落ちます。そのはがれた耳石が三半規管の中に入ると頭を動かしたときに内リンパ液に流れが生じて三半規管の感覚毛を刺激します。
静止すると、視覚や筋肉などの運動器は静止しているという情報が脳に送られますが、まだ内リンパ液は動いています。
その脳に送られる情報のズレがめまいを引き起こします。この状態は30秒くらいで治まりますが、激しい回転性のめまいが起きるため発症したときは脳に異常があるのでは?と不安になりますね。
更年期は耳石がはがれやすい?骨粗しょう症との関係
耳石は骨と同じ炭酸カルシウムで出来ています。更年期になると骨がもろくなってはがれやすくなってしまうわけです。骨粗しょう症もめまいの一因なんですね。
この良性発作性頭位めまい症は50歳代~60歳が発症が多いのですが、更年期を迎える40歳代の女性も注意しましょう。
その他耳石が剥がれる原因として、強く頭を打ったときや運動不足もあります。あまり頭をうごかさないとはがれた耳石が三半規管にたまって大きなかたまりとなってしまうこともあります。
良性発作性頭位めまい症を治すには耳石を動かす!
この病気を治す一番の方法は、三半規管に入った耳石を動かして除去することです。病院ではエプレイ法という理学療法が行われます。
自宅でセルフで行うときは寝返り体操が効果的です。
良性発作性頭位めまい症治療のセルフ体操「和歌山の整体 廣井整体院」
普段の生活習慣を見直してめまいを予防!
この頭位めまい症の根本治療は耳石を取り除くことです。病院で薬を処方してもらうこともできますが、不安感を取り除くための精神安定剤や血流を良くする血流改善薬などあくまで対症療法です。
理学療法や寝返り体操で改善させるとともに、めまいを繰り返さないよう生活習慣を見直して予防しましょう。
運動不足を解消する
一番の予防です。できればウォーキングなど続けることが理想ですが、よく動くことから始めましょう。家事をするときも運動のつもりで!
寝具の見直しをする
寝相が良いのは美徳ではありませんよ。寝返りを打つことは健康にとって必要です。
寝返りの効能
- 筋肉や関節の運動を負担なくできる
- 血液やリンパの流れを良くする
- 就寝中の体温調整をする
まず、寝返りをしやすい寝具を選びましょう。敷布団やベッドマットが柔らかすぎると腰が沈んで寝返りをうち辛いので、適度な固さのものを選ぶようにしましょう。
枕も重要です。低すぎるものは耳石器と三半規管が水平になって耳石が三半規管に入り込みやすくなります。
就寝前に本を読む習慣のある人も注意しましょう。横向きの姿勢を長く続けると下向きになったほうの耳に耳石がたまりやすくなります。