更年期の症状は体だけでなく心にもあらわれます。世間一般では、イライラしやすくなるというイメージがあるように感じますが、うつうつとした気分になりやすいのも更年期の症状なのです。
急に涙もろくなった!?更年期の情緒不安
月経前に気分が落ち込んだりだるくなったり、倦怠感を感じたりする女性は多くいます。PMS(月経前症候群)に悩んでいる人は少なくありません。
更年期にも同じようなことが起こります。何もする気が起きなかったり、ネガティブな考えに支配されてうつうつとした状態が続いてしまいます。今の自分の心の声をチェックしてみましょう。
- 人と会うのがなんとなく億劫だ
- 家事も仕事もやる気がしない
- おしゃれをする気分になれない
- わけもなく不安な気持ちになる
- 判断力や集中力が落ちた気がする
- 物忘れをする、物覚えが悪くなった
- 自分に自身がもてない
- 急に寂しい気分になったり喪失感を感じる
エストロゲンが減ると?セロトニンにも影響が!
チェックリストはいかがでしたか?なんとなく思い当たる人も多いのではないでしょうか。こうした精神状態になるのも、更年期の特徴です。原因は、女性ホルモンのエストロゲンが減少したことによるのです。
エストロゲンはハッピーホルモン
エストロゲンは心を明るくする作用があります。これは、外交的な気分になることによって異性との出会いの機会を増やすためだそうですよ。子孫を残すためには異性と出会うことがまず先決ですから。
反対に、プロゲステロンは内向的にする作用があります。妊娠して無事出産するまではお腹の赤ちゃんを守っていく必要があるからです。
更年期はストレス耐性が落ちる
エストロゲンの作用が少なくなると、ストレス耐性も落ちてささいなことで傷つきやすくなります。わけもなく悲しくなって涙がぽろぽろ出てしまうのもそのせいです。
また、エストロゲンが減ることで脳内の神経伝達物質のセロトニンの代謝がうまくいかなくなります。セロトニンは幸せホルモンともいわれ、精神を安定させる働きがあります。
更年期うつにならないために!辛いときは専門家へ
更年期にはエストロゲンの減少が原因で心の不調があらわれます。HRT(ホルモン補充療法)など、更年期の治療で軽減されることも少なくありませんが、それだけですべて解消するほど簡単ではないのが実情ではないでしょうか。
40代50代はライフスタイルにおいてもさまざまな変化があったり、ストレスの多い年代です。更年期障害と心の病気が合併していることもあります。その場合は心療内科など専門家の治療が必要になります。
いきなり精神科や心療内科を受診するのは・・・という場合は、更年期に理解のある婦人科や、病院によっては女性外来を設けているところもあるので、情報を集めてみてくださいね。
更年期のうつうつ気分、こうして改善!
気分の落ち込みや、急におそう不安感を解消するためにちょっとしたコツを知っておくことは心強いです。漢方薬やハーブの力を借りる人も多いし、アロマは比較的簡単で生活にも取り入れやすいです。
ひとつひとつ紹介していこうと思っていますが、まずは更年期に起こる心の不調を自覚して、対策をとろうと思うことが大切だと思うので、考え方のアドバイスを3つ!
- ひとりで抱え込まない
- 完ぺき主義をやめる
- 仕事や家事のやり方を見直す
更年期の心の不調はあんがい知られていません。特に夫や仕事の上司が男性だった場合、理解をしてもらうのは難しいです。もちろん、しっかり説明してわかってもらうにこしたことはありませんが、まずは同姓の友人(できれば同年代か年配者)に相談にのってもらうなど、ひとりでうつうつとした気持ちを抱え込まないように。
完ぺき主義の人ほど、今までできていたことができなくなったりすると落ち込みが激しくなります。自分は無能だと自身をなくし、症状を悪化させてしまいます。すべて完璧にこなそうと思わないで、できなかったとしても自分を責めないようにしましょう。「そんなときもあるさ」と気楽に。
更年期は体が大きく変化しています。エストロゲンの急激な減少は女性の体を大きく揺さぶります。体力も気力も、若いときと同じというわけにはいかないのは当たり前です。仕事のやり方や家事のやり方を見直しましょう。人生まだまだ先は長いのです。ちょっとくらいの小休止は必要です。