最近トイレに行く回数が増えた、用を済ませてもすっきりしないなど、更年期以降「トイレにまつわる悩み」が増えてきます。
自宅にいるときはそう気になりませんが、外出時は憂うつな気分になりますね。食事中何度もトイレに行くのは恥ずかしいと思ったり、屋外ではトイレがどこになるかいつも気にしていませんか?
トイレに行く頻度が増えたのは歳のせい?
そもそも、トイレに行く回数の平均ってどのくらいでしょう?どんな場合注意が必要?あんがい知らない排尿のこと、ちょっとみてみましょう。
人はなぜ尿をする?尿のしくみ
尿は体内で不要になったものですね。腎臓でろ過された要らない物質が尿管を通って膀胱にたまります。膀胱に尿が一定量たまると尿意をもよおします。
排尿しようと脳が判断すると、ふだんは閉じている尿道括約筋が緩んで尿が出るという仕組みです。
膀胱にためられる尿の量は?
膀胱にためられる用量は個人差がありますが、だいたい350ml~600mlです。約200mlたまると尿意を感じるようになります。
この容量は年齢に寄っても違います。年齢が上がるほど少なくなるのです!例えば、30歳女性の場合は500ml~600mlためておくことができますが、80歳になると300mlまで減ってしまいます。
トイレに行く回数の平均は?
では、1日何回以上尿意をもよおすと頻尿というのでしょう?摂取した水分量や体格、年齢によって異なりますが、一応の目安を知っておくと良いですね。
ちなみに通常の1回の尿の量は通常250ml~300mlです。コップ1杯分ですね。
1日4~7回、夜間に0~1回であれば正常範囲です。これ以上であれば頻尿と考えられます。
日中2時間ごとにトイレ、夜中に2回以上トイレ・・・そう考えると確かに頻繁に行っているといえますね。
更年期に頻尿になる原因は?
膀胱に貯めておける尿量は年齢とともに少なくなると書きましたが、更年期あたりから徐々に感じるようになります。
肌も老化するように尿道や膀胱の粘膜も萎縮したり薄くなったりします。そのために、尿量が少なくても尿意をもよおすようになります。
夜中の頻尿対策は?
夜中に何度もトイレで目が覚めてしまうと睡眠の質にも影響します。その場合は尿意を抑える薬を使ってコントロールすることもできます。
残尿感や痛みがある場合は膀胱炎かも!
トイレに行く回数が増えただけなら、からだの自然な変化ですが、残尿感や排尿時に痛みがある場合は膀胱炎を起こしていることもあります。
膣炎外陰炎・便秘も膀胱炎の原因に!
更年期以降は粘膜も弱くなっています。最近が簡単に侵入してしまいます。それらの症状もしっかり治しましょう。
便秘がちの人は膀胱炎になりやすいので注意してください。便が大腸の中に長い間たまっていると、肛門付近まで大腸菌が降りてきてしまうのです。女性は肛門と尿道の入り口が近いので、菌が簡単に侵入してしまいます。便秘対策、大事です!
膀胱炎はしっかり治療を!
一般的には抗生物質で治療します。なんども繰り返す場合は漢方薬での治療もすすめられます。女性は体の構造上膀胱炎になりやすいし、更年期になると自浄作用も衰えますから注意してくださいね。
冷えが原因になっていることもありますよ。その場合は漢方薬や鍼灸も効果が期待できます。冷え対策は年代通して女性のお悩みキーワードですね。これから暖かい季節になりますが、油断は禁物!です。
これを押さえて更年期の頻尿対策!
自然なことだから気にするな、と言われてもそうはいきませんね。トイレに行きたくなったら行けば良いのですが、外出時などままならないときがあります。
- 外出前は水分摂取を控える
- 時間に余裕をもってスケジュールを立てる
- 普段からトイレの場所を確認しておく
どれも言われてみれば簡単なことですが、とっても大切です。トイレが気になって外出するのが億劫になってしまうなんて寂しいですし、トイレのことばかり気になって心因性頻尿になってしまうこともあるからです。
心因性頻尿とは?
- 夜中は行かないのに日中やたらトイレに行きたくなる
- トイレに行けない・行きづらい場面ほど尿意をもよおす
- 自宅にいるときはトイレにあまり行かない
こんな傾向がある場合は心因性の頻尿かもしれません。気にするあまりストレスでからだが緊張して尿意を感じてしまいます。外出先でもトイレのことばかり気になって、次第に外に出るのが怖くなってしまうことも!
膀胱炎の場合は水分は控えてはダメ!
膀胱炎を起こしているときは水分を控えるのはNGです。排尿痛もあるのでついつい水分を摂らなくなっていませんか?
膀胱内の細菌を排尿によって洗い流すことはとても重要です。温かい飲み物を十分に摂って、ひんぱんに排尿するようにしましょう。